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【全20症例39眼のSGL前後のERGの結果: 統計的検証】
全症例のSGL前後のフリッカーERGは28. 3Hz(基本周波数)の潜時が短縮する症例は10症例14眼であった。28. 3Hz(基本周波数)の振幅の増大は39眼中22眼であり、生データ (基本周波数成分から第8高調波成分)の振幅の増大は39眼中25眼となり、ウィルコクソン符号付順位和検定ではp値0. 058となり僅かに有意性は得られなかった。
そこで様々な多因子である緑内障の要因を考慮して、LKC社提供のフリッカーERGデータを参照に(潜時36. 6ms以上を除外、振幅6.1μV以下を除外)ERG正常群13症例24眼に限定して再度検定を試みた結果、28.3Hzの振幅の増大はp値0.023、生データの振幅の増大はp値0. 028となりウィルコクソン符号付順位和検定で統計的有意差が得られた(図6a.b)。  尚13症例26眼に施行したPhNRは72msの振幅の増大は10症例13眼に振幅の増大が得られたが統計的有意差は得られなかった。
緑内障と診断した全20症例39眼のSGL後の変化は、潜時が短縮する症例に、SGL後の静的視野検査の急性改善例が2例存在した。また振幅のみの増大例にも中心視界が明瞭となる自覚症状の改善症例が存在した。そしてSGL後にフリッカーERGの振幅が増大する傾向が観られた(図4c.d)(図5g.h)